「もしも、今日渋谷で大地震が起きたなら——」そんな想定のもとに、来場者が“見て・食べて・遊んで・学べる”都市型防災イベント「もしもFES渋谷2025」が2025年8月30日（土）・31日（日）の2日間、東京・代々木公園イベント広場で開催される。主催は一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会、こくみん共済 coop〈全労済〉の三団体で、渋谷区が共催する。

同イベントは、2019年まで実施されていた「渋谷区総合防災訓練（SHIBUYA BOSAI FES）」の流れを汲み、2022年より市民参加型の新たな防災啓発イベントとしてスタート。2023年には22,105人が来場し、73団体が協賛・協力するなど、地域に根差した実践的な取り組みとして成長を続けている。2024年は台風により中止となったが、今年はさらに内容を拡充し、災害時の“リアル”を伝えるとともに、生活の質（QOL）を高める「備え」の形を多角的に提案していく。

今年のテーマは、災害時のリアルを伝え、災害時のQOLを高める備えのあり方」。主催社ブースでは、「防災アイテム活用大作戦」と題し、来場者が実際にアイテムを使って学べる体験型コンテンツが展開される。

イベントの特徴は、防災をテーマにしながらも、家族連れから若者まで幅広い層が楽しめる点にある。「サバイバルエリア」では、首都直下地震発生時の瓦礫や障害物を想定したアトラクションを用意。「アウトドアエリア」では、避難所や自宅での生活が困難な事態を想定し、アウトドアグッズを活用した新たな備えのアイデアを紹介する。また、自衛隊のカレー炊き出し体験や消防による起震車体験、車両展示なども予定されており、子どもたちにも人気の高いコンテンツとなっている。

同イベントを支えるのが「もしもプロジェクト」である。これは2021年、東日本大震災から10年の節目に立ち上げられた取り組みで、災害時における大規模被害の予測や備えの必要性を市民に広く伝えることを目的としている。たとえば、首都直下地震が発生した場合、帰宅困難者は約500万人、避難生活者は約300万人に上り、防災意識の向上は緊急に対処すべき重要な課題となっている。その一歩となる同イベントは災害への現実的な備えと、楽しく学ぶ体験の両立を図る場として、幅広い世代に向けた多彩なコンテンツを展開し、“もしも”に備える重要性を実感できる構成となっている。

未来の「もしも」に備えるために、今年の夏は代々木公園で防災を体感してみてはいかがだろうか。入場無料。

開催場所