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ハチ公が昭和30年代の渋谷へタイムスリップ!?
ハチ公前広場

ハチ公が昭和30年代の渋谷へタイムスリップ!?

渋谷駅街区土地区画整理事業の一環として、2025年3月27日、渋谷駅前ハチ公広場の忠犬ハチ公像後方に仮囲いが設置され、枯山水をイメージした「渋谷駅ハチ公前 庭園」の撤去作業が始まった。

渋谷駅周辺では、東急東横店のビル解体工事やJR渋谷駅ハチ公改札の移設などが進み、駅周辺の風景が日々変化している。今回の「ミニ庭園」の撤去も、駅改良工事の一環として実施されている。

渋谷駅ハチ公前庭園に設置された仮囲い

仮囲い内の様子。22時30分~30時(朝6時)の時間帯に撤去作業を実施する

設置された工事用の仮囲いには、1959(昭和34)年の渋谷駅風景写真がプリントされている点が特徴的である。関係者によると、「(この写真は)渋谷駅周辺の都市開発や交通網の整備が進み、渋谷が商業地として発展していった昭和30年代のもの」だといい、戦後復興を経て駅施設が近代化し、東京五輪を控えて活気に満ちていた時代の姿が映し出されている。また、「渋谷駅は現在も変化を続けているが、昔から時代に先駆けて進化・成長してきた」とし、留まることなく、常に変わり続けることこそが「渋谷らしさ」であるという想いも込められる。

昭和30年代の渋谷駅の風景にマッチする「ハチ公像」

戦時中、金属供出により一度撤去されたハチ公像は、戦後1948(昭和23)年に2代目が再建され、それ以来、77年にわたり渋谷の街を見守り続けてきた。仮囲いに掲出された写真の前にちょこんと座るハチ公像の姿を見ると、まるで60数年前にタイムスリップしたかのような、そんな当時の光景を思い浮かべてしまう。

左=ハチ公前広場の「ソメイヨシノ」。 右=ハチ公像の後ろには、ハチの故郷である大館市から寄贈された「しだれ桜」。ソメイヨシノ、しだれ桜ともに見ごろを迎えている

昭和30年代を背景にした「忠犬ハチ公像」は、今だけの貴重な風景だ。枯山水のミニ庭園の撤去作業の工期は6月30日まで。

外国人観光客で賑わうハチ公像前

桜が咲き誇る絶好のタイミングの今、昭和30年代バージョンのハチ公に会いに出かけてみてはいかがだろうか。

開催場所

取材・執筆

編集部・フジイ タカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。