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「神泉」ランチおすすめ5選! 渋谷在勤・かごさんが厳選するお店を紹介
神泉

「神泉」ランチおすすめ5選! 渋谷在勤・かごさんが厳選するお店を紹介

渋谷にある大手企業に勤めるかごさんは、日々のランチタイムに渋谷の飲食店を10年以上も食べ歩き続け、その数なんと2000店を超える「渋谷一のランチナビゲーター」です。そんなかごさんが、毎回テーマに沿ったおすすめのお店を紹介。グルメ口コミサイトとは一味も二味も違うお店をこっそり教えます。

プロフィール

かごさん

渋谷一のランチナビゲーター

普段は渋谷の大手企業に勤務。2012年頃からランチ食べ歩き&ブログやSNSで発信する活動を開始。今や渋谷だけに留まらず、東京全域をはじめ全国の飲食店も訪問。

今回のテーマ:「神泉」

神泉エリアは、渋谷区神泉町を中心に広がる地域で、最東端には京王井の頭線・神泉駅があります。渋谷駅から道玄坂を上がった先に位置し、北は文化施設が点在する松濤、南は国道246号(玉川通り)を隔てて南平台町、南西は旧山手通りを介して青葉台・代官山、東は道玄坂・円山町のエンタメエリアに接します。この立地から、住宅街の静けさと夜のにぎわいが隣り合う“裏渋”らしいコントラストが魅力です。

円山町から神泉町へと続くメインストリート「裏渋谷通り(滝坂道)」

そんな神泉という地名は、かつてこの地に湧水が豊富だったことに由来します。空鉢仙人(からはちせんにん)が霊薬をねったという伝説が残り、江戸時代には「弘法湯」と呼ばれる共同浴場として親しまれ、大山詣、富士詣の通り道としても栄えました。明治時代には浴場に料理旅館が併設し、やがて花街・円山が形成。渋谷や道玄坂の盛り場文化の原点ともいえる華やかな時代を築きました。

現在の落ち着いた街並みの中にも、そうした歴史の余韻がどこかに漂っており、大通りから一歩入ると、住宅地ならではの静けさの中に一軒家改装の店やカウンター主体の小体な良店がぽつぽつ現れます。サラダビュッフェで“整える”店から、炭火焼・担々麺のガツン系まで、その振れ幅の広さも神泉らしさ。昔からの名店と新しいオーナー店が自然に共存する町並みは、どこか「奥渋」に通じる落ち着きと大人の感性を感じさせます。一方でランチ営業日や営業時間が日によって変わりやすいのもこの界隈の“あるある”。人気店には行列やインバウンド客も多いので、訪問前に最新情報をチェックしておくと安心です。

神泉エリア(赤い囲み部分が今回の範囲)

今回は、そんな「神泉」にフォーカスし、通りや路地にひっそりとたたずむ良店の中から、かごさんが厳選した5店をご紹介します。

徳島の恵み×野菜ビュッフェで満たす!/ターンテーブル

京王井の頭線・神泉駅からは徒歩約4分。渋谷駅から渋谷マークシティ「道玄坂上出口」を経由して徒歩約11分。道玄坂上交番から「裏渋谷通り」を旧山手通り方面へ進み、「神泉児童遊園」の隣。藍染ののれんがかかる入口が目印です

<店舗情報>
店名:ターンテーブル(TurnTable)
住所:渋谷区神泉町10-3
徳島県が手がける、レストラン併設の複合施設。建物内にはレストラン(1・2階)と宿泊フロアのほか、店内一角にマルシェコーナーを備え、徳島産の食材や加工品が並びます。内装や什器にも藍や県産木材など徳島ゆかりの素材を用いていて、店内の什器や素材にも藍や県産木材を採用。気づけば“徳島に囲まれる”体験に。

ランチは野菜ビュッフェ付きが名物。徳島直送の野菜や肉・魚を主役に、夜はコース中心でしっかりと。食後に気になった食材はマルシェで購入もでき、“食べて知って持ち帰れる”のがこの店ならではの魅力です。

画像=かごさんinstagramより

かごさんのおすすめポイント!

注文したのは「阿波尾鶏と九条ネギの和風パスタ」。香ばしい醤油ベースで日本人好みの落ち着く味わい、阿波尾鶏がたっぷり入って満足度高め。とはいえ主役はやっぱり旬の野菜を楽しめるサラダビュッフェ。このときは小松菜やつるむらさきなど肉厚で新鮮な無農薬野菜が並び、オイルフォンデュ風でも王道ドレッシングでも自由に楽しめるのが最高。

唐揚げなどの惣菜も食べ放題で、お代わりOK。デトックスウォーターを片手に、食後は隣接する公園の緑を眺めながらコーヒーや寒天×和三盆カルメラを。身体が喜ぶランチを求める日にぴったりの一軒です。

“一軒家タイ”で味わう穏やかな辛み/タイ料理 SaamRoa

JR渋谷駅から徒歩約11分。京王井の頭線・神泉駅から徒歩約2分。神泉駅南口から駒場東大駅方面へ少し歩いた住宅街に立つ、白壁の一軒家。玄関で靴を脱いで上がるスタイルです

<店舗情報>
店名:タイ料理 SaamRoa
住所:渋谷区神泉町14-13
麻布・広尾で長く愛された「サムロー」の新拠点として、2022年に神泉へ。一軒家を改装した店内は、1階がレストラン、2階はギャラリー/貸出スペースという構成で、まさに“知人宅にお邪魔する”ような心地よさ。

タイ本場出身シェフのやさしい味わいが持ち味。玄関から上がる”民家スタイル”のレストランという体験も含めて、神泉ならではの“隠れ家感”を楽しめます。

画像=かごさんinstagramより

かごさんのおすすめポイント!

ランチに頼んだのは「オリーブ豚挽肉炒めごはん レモンのせ」。まずはベーシックなサラダで口を整えて。スープはほんのりタイのニュアンスを感じつつもあっさり飲みやすい。この時点で「タイ料理って辛い・酸っぱいだけじゃないんだな」と実感。

メインは上品な盛り付けで登場。うまく言えないのですが、確かにタイ風、でもあっさりしていて食べやすいんです。オリーブをごはんに入れるのって珍しいけど意外と合う。そこにレモンの爽やかなアクセントがきゅっと効いて、辛さや酸味、ナンプラー感は控えめ。どことなく“味噌っぽさ”も感じる不思議なバランスで、他のタイ料理店では出会えないタイプのおいしさでした。

宮崎のスモーキーな親鶏もも焼きで白飯が進む!/たもいやんせ

JR渋谷駅から徒歩約11分、京王井の頭線「神泉」駅からは徒歩約4分。「裏渋谷通り」を進んだ先、ターンテーブルの1本裏手。路地沿いの青い看板が目印です

<店舗情報>
店名:たもいやんせ
住所:渋谷区神泉町10-10 VORT渋谷神泉ビル1F
宮崎方言の屋号どおり、宮崎の郷土料理を看板にする居酒屋。名物は地鶏の炭火もも焼きで、夜は宮崎の焼酎も豊富。ランチは駅近で使いやすく、もも焼きやチキン南蛮など“白飯が進む系”がそろいます。ちなみに「たもいやんせ」は「どうぞ召し上がってください」の意。

画像=かごさんinstagramより

かごさんのおすすめポイント!

定番の「もも焼(塩)」をチョイス。炭火焼のスモークが食欲を直撃し、親鶏ならではのコリコリ食感が気持ちいい。塩のキレも抜群で、玉ねぎスライスが薬味としてよく効きます。思わず「ビール、飲みたい…」と心が揺れる一皿。

定食にはだしの利いた野菜の小鉢が2種、お新香も付いてごはんが進む構成。いつ訪れても満足度の高いランチです。

辛さ×痺れ×香り、三重奏の旨みが広がる行列担々麺/うさぎ

JR渋谷駅から徒歩約10分、京王井の頭線「神泉」駅から徒歩約3分。「裏渋谷通り」を進んだ先、「マルエツ プチ」のすぐ近く。時間帯によっては行列ができているのですぐ分かります

<店舗情報>
店名:うさぎ
住所:渋谷区神泉町8-13 アーガス霜田ビル1F
“神泉の行列店”として知られる人気ラーメン店。看板は担々麺で、トリュフ系のスペシャルも旅行者に支持される一杯として話題。平日11:30〜14:30のランチ営業(土日祝休)なので、時間に余裕をもって訪れたい。

画像=かごさんinstagramより

かごさんのおすすめポイント!

看板の「担々麺」をオーダー。辛さは選べ、今回は2に。本格的な辛さと花椒の痺れが心地よく立ち上がり、過激さで押すのではなく旨みで食べさせるタイプ。ベースのスープは濃厚なゴマのコクと香りがしっかりしていて、シャキシャキ野菜が良いアクセントに。

店外は外国人観光客の行列で“海外に来たみたい”な空気感だけど、味はきっちり日本の名店クオリティ。人気なのも納得の一杯でした。ちなみに、トリュフ・スペシャルを頼む人も多く見かけます。次回のご褒美ラーメンに

ザクザクが最高!“東京料理”の縞アジフライ/東京料理 アネモネ

JR渋谷駅から徒歩約11分、京王井の頭線「神泉」駅から徒歩約4分。「裏渋谷通り」を旧山手通り手前まで進むと、大きな窓と店内のグリーンが目印です。「ターンテーブル」や「たもいやんせ」からもほど近い立地

<店舗情報>
店名:東京料理 アネモネ
住所:渋谷区神泉町12-7
2019年オープン。“東京料理って??”と身構える必要なしの和食メインのダイニング。店内は木を生かしたカウンターと、窓際にグリーンが配されたサンルーム風テーブル席。ナチュラルで落ち着く、居酒屋に近い空気感のなか、丁寧に仕立てた定食が楽しめます。

画像=かごさんinstagramより

かごさんのおすすめポイント!

人気メニューは「縞アジフライ定食」。ザクザク衣×肉厚な身で食感が気持ちよく、まずはそのままでも甘みがしっかり。そこにソース&辛子で旨みがぐっと引き立ち、仕上げはたっぷりのタルタルで“もう一段”リッチに——2種類のソースで楽しく完食できます。

さらにサラダ・きんぴら・マカロニサラダの副菜が充実。茄子とお揚げのみそ汁はだしがよく出ていて旨味深い一杯。しかもごはん・みそ汁はお代わりOK。“お代わりしてもいい”ではなく、お代わりしたくなるおいしさです。ドリンク付きなのもうれしいところ。体をいたわる野菜ジュースも選べますが、この日は季節柄麦茶でさっぱり。完全に腹パン、満足度の高い定食でした。

神泉ランチのまとめ

渋谷駅周辺の賑わいから少し離れるだけで、歴史の余韻と落ち着きを感じる神泉エリア。日常の延長にある“ちょっと特別”を提供する店が、今日も静かに扉を開いています。徳島の恵み×野菜ビュッフェで整えるもよし、スモーキーな親鶏もも焼きで白飯をかき込むもよし、辛さ×痺れ×香りの三重奏の担々麺で気分を変えるもよし、だしの利いた定食で満たされるもよし。

ビジネスパーソンの昼休みや、週末の路地散歩にも似合う、“神泉ランチ”の奥行きをこの機会にぜひ体験してみてください。

取材・執筆

小山田滝音

2014年からライター・編集活動開始。“グルメ系”や“街モノ系”の取材および執筆を中心に活動し、港区・赤坂、六本木、虎ノ門などの地元ニュースやフリーペーパーなどを手がける。最近では渋谷や田町にも足を伸ばす。実際に足を運ばないと見つけられないネタやニュースを日々探す。好きな食べものはカツ丼。