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渋谷駅工事仮囲いアート第2弾公開 秋田犬など、太田宏介さんが描く“渋谷の象徴”
渋谷駅街区開発計画の工事現場で2月20日、仮囲いを巨大なキャンバスに見立てたアートプロジェクト第2弾の公開が始まった。
掲出場所は、JR渋谷駅西口を出た通路沿いにある「渋谷スクランブルスクエア西棟新築工事」の北側仮囲い。昨年8月に始まった第1弾に続く取り組みで、「~Shibuya Culture Jungle~多様性を輝かせる」をテーマに、既存作品と渋谷を題材にした描き下ろし新作を融合させた構成となっている。

「モヤイ像」をモチーフに描かれた作品(左奥はJR渋谷駅西口)
同プロジェクトは、東京都が進めるまちなかにアートの景色を広げていく文化事業「TOKYO CITY CANVAS」に採択されたもの。東急と一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントが共創し、渋谷区の後援を受けて進める官民連携事業の一環だ。工事現場という“都市の余白”をアートで彩り、まちに開かれた展示空間を創出することを目的としている。
渋谷で得たインスピレーションを新作に
第2弾を手がけたのは、第1弾に続きアーティストの太田宏介さん。1981(昭和56)年生まれ、福岡県在住。幼少期に知的障がいを伴う自閉と診断されたが、11歳で絵と出合い、15歳で初個展を開催。鮮やかな色彩と自由な発想による作品で、国内外から注目を集めている。TBS系ドラマ「ライオンの隠れ家」で作品が採用されたことでも知られる。

昨夏、太田さんが渋谷視察した時の様子
今回は太田さんが実際に渋谷を訪れ、街を歩きながらモチーフを選定。ハチ公像やモヤイ像など、渋谷を象徴する存在に強い関心を示したという。打ち合わせや視察を重ねて完成した新作では、躍動感あふれる「秋田犬」や印象的な「モヤイ像」などが、太田さんならではの大胆な構図と鮮やかな色彩で描かれている。


福岡の工房で作品制作を進める様子
制作は昨年8月のキックオフミーティングからスタート。来京時の視察や福岡の工房での制作、デザイン調整などを経て進められ、約半年をかけて完成した。
第1弾作品と融合、まちの個性を際立たせる
第1弾では、「花」や「コウモリ」など動植物をテーマにした既存作品約15点を展示し、無機質な仮囲いに生命感と華やぎをもたらした。第2弾では、その一部に渋谷を題材とした描き下ろし作品を組み込み、街の象徴と既存モチーフが呼応する構成。展示全体の長さも、前回よりも約10メートル延長された。

第1弾で描いた植物と、今回新たに手掛けた「秋田犬」「モヤイ像」を追加してデザインを構成
色鮮やかな「秋田犬」や「モヤイ像」が動植物モチーフと交差することで、渋谷の持つ多様性やエネルギーをより立体的に表現。無機質になりがちな工事現場に鮮やかな彩りと躍動感を加えている。

渋谷駅周辺の高層ビル群と秋田犬
テーマは第1弾から引き続き「~Shibuya Culture Jungle~多様性を輝かせる」。「個性を尊重し、人を活かす。」という同プロジェクトの理念のもと、多様な価値観や背景を持つ人々が交差する渋谷の姿を、アートを通じて可視化する試みとなっている。
再開発が進む渋谷駅周辺では、動線変更や工事が続く中、ビジネスパーソンや買い物客、観光客らが日常的に行き交う。工事期間中ならではの景観を生かした今回の展示は、変化を続ける渋谷の街に新たな表情を添えている。









