絵本『スイミー』で知られるレオ・レオーニの創作の世界を紹介する展覧会「レオ・レオーニの絵本づくり展」が、2025年7月5日から8月27日まで、渋谷ヒカリエ9階のヒカリエホールで開催される。主催はBunkamuraと朝日新聞社。

同展では、絵本界の巨匠レオ・レオーニ（1910〜1999）の「絵本づくり」に焦点を当て、コラージュをはじめとする多彩な技法や独自の表現手法を通して、その創作の世界を紹介する。

グラフィックデザイナーやアートディレクターとして活躍していたレオーニは、49歳で絵本作家に転身。『スイミー』をはじめ、『あおくんときいろちゃん』『アレクサンダとぜんまいねずみ』『フレデリック』など、時代を超えて愛される名作を生み出し、世界中の幅広い世代に親しまれている。日本でも、小学校の教科書や詩人・谷川俊太郎氏による翻訳を通じ、多くのファンを持つ。

今回の展示は、板橋区立美術館を皮切りに全国を巡回中の「レオ・レオーニと仲間たち」展の絵本セクションをベースに、新たなコンテンツを追加し、Bunkamura ザ・ミュージアムが新たに構成したもの。多数の絵本原画の展示に加え、映像を活用した体験型コンテンツなども会場限定で展開される。

展示は3部構成で、第1章は「レオーニのテクニック（技法）」と題し、さまざまな紙を切ったりちぎったりして作られたコラージュをはじめ、水彩・油彩・クレヨン・鉛筆・色鉛筆といった多彩な画材の使い方や表現のバリエーションを紹介。レオーニが手仕事に込めた想いに迫る。

第2章「原画で読む絵本『6わのからす』」では、同名の絵本の原画を通して、絵本において欠かせない「ストーリー」や「メッセージ」に注目。物語とビジュアルが一体となって完成する絵本の魅力を深く味わう構成となっている。

第3章「レオレオリウム！レオーニの絵本ワールドにようこそ」では、Bunkamura ザ・ミュージアムと、映像インスタレーションを手がけるアートユニットplaplax（プラプラックス）がコラボレーション。レオーニが少年時代から好んで作っていた「テラリウム」をモチーフに、まるで絵本の中に入り込んだような体験型空間が広がる。動植物をガラス容器で育てるテラリウムは、レオーニの作品世界の重要なイメージの源泉であり、来場者はその世界を五感で体感できる。

展覧企画のほか、レオーニ作品の中に用いられる制作方法を体験できるワークショップも開催。レオーニの絵本づくりには、混ぜて押してこすって、ちぎって切って貼って…、様々な技法が用いられている。ワークショップでは、デザイナー、イラストレーター、シルクスクリーン作家のやまさき薫さんを講師に迎え、道具や手を使って色を重ね、色紙を作り、その色紙を切り抜き、コラージュして作品づくりにチャレンジする。また、つくった色紙のパーツを集めた自分だけの技法採集帳も一緒に作るなど、レオーニ作品に思いをめぐらしながら、その魅力を体感できる企画となっている。希望者は特設サイトから事前要約制（参加費2,200円)。

併せて、会場内ではレオーニのキャラクターをあしらったミニキャンバスやアクリルマグネット、エコバッグ、Tシャツなど、多彩なオリジナルグッズも販売。いずれも数量限定で、ファン必見のラインアップとなっている。

左＝トートバッグ(全3種) 各1,980円　右＝アクリルマグネット（ブラインドパッケージ）(全11種) 各605円

左＝マスキングロールステッカー(全2種)　各1,100円　右＝Tシャツ（キッズ4,730円、大人4,950円）

注目すべきは、数量限定の「早割グッズセットチケット」。『マシューのゆめ』のイラストが入ったミニトートバッグ付き「チケットA」（3,200円）や、『シオドアとものいうきのこ』のキャラクターぬいぐるみ付き「チケットB」（3,800円）がセブンチケット限定で販売される。いずれも期間限定、売り切れ次第終了となる。

そのほか、一般と子ども（中学生・小学生）のセット券「早割こどもといっしょチケット」（2,200円）や、一般2名分の「早割ペアチケット」（3,000円）も用意。家族や友人と楽しめるユニークなチケットが揃い、子どもから大人まで幅広い層が楽しめる展覧会となっている。

色彩豊かな絵と物語が広がる絵本の世界。レオ・レオーニの創作の秘密に触れ、その魅力を五感で味わえる本展は、夏の渋谷で感性を育む貴重な機会となりそうだ。

開催場所