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渋谷に新たな「たまり場」 ANCRが仕掛けるカフェラウンジ「Nakaniwa」
カフェラウンジ「Nakaniwa」

渋谷に新たな「たまり場」 ANCRが仕掛けるカフェラウンジ「Nakaniwa」

コミュニティFM局「渋谷のラジオ」で、隔週水曜日17時~17時30分に放送しているラジオ番組「渋谷文化プロジェクト」。シブヤ経済新聞・西樹編集長がパーソナリティを務め、毎回ホットな話題をテーマにゲストとトークを繰り広げている。

8月26日のゲストは、今月、渋谷駅近くにカフェラウンジ「Nakaniwa(ナカニワ)」をオープンしたANCR(アンクル)代表取締役CEOの福島颯人さんと、プロデューサーの有賀美友さん。ANCRとはどんな会社なのか。そして、新たに誕生したNakaniwaはどんな場所なのか。番組では、店づくりの背景や渋谷への思いを聞いた。

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※この記事はラジオ番組放送内容から一部抜粋し編集しています。

異なる分野を掛け合わせ「化学反応」を起こす

ANCRという社名は、「Arising New Chemical Reaction(新しい化学反応の発生)」に由来する。空間デザインやブランディングなど、さまざまな領域のプロフェッショナルが集まる会社だ。

福島さんは「いろいろな要素を掛け合わせて化学反応を起こし、そのアウトプットが僕らの色になっていく」と話す。

福島さんが同社を創業したのは2018年。武蔵野美術大学3年生の時だった。卒業後は自らの会社を経営しながら、一度リクルートに就職。「大学在学中には蓄えられなかったビジネスの知識を学ばないと、この先続かないと思った」と振り返る。9カ月後に退職し、ANCRの経営に専念した。

一方、有賀さんは美容分野を中心に約10年間、フリーランスでPRに携わってきた。ブランディングやイベント企画などの経験を生かし、現在も自身の仕事を続けながらANCRに参画している。

そうした異なる領域の知識や経験を掛け合わせて生まれたのが、Nakaniwaだ。

左からANCRプロデューサーの有賀美友さん、代表取締役CEOの福島颯人さん

キーワードは「やりやがったな、東急」

Nakaniwaは8月10日、明治通り沿い、宮下公園近くの渋谷セルモビル2階・3階にオープンした。きっかけは、同ビルを所有する東急が、将来の建て替えまでの遊休期間を活用し、新しい仕掛けをつくろうとしたことだった。

店内は2階と3階の2フロアで構成。写真は2階フロアの様子

福島さんによると、東急の担当者から示されたキーワードは「やりやがったな、東急」。

「そう思わせるようなものを作りたい、という熱いエナジーをいただいた」と福島さん。有賀さんも「今までにない面白い場所を作りたい、という思いは、私たちと東急さんに共通していた」と話す。

そこから、渋谷で働く人や学生、クリエイターなど、さまざまな人が自然に交流できる場所を目指して企画を練っていったという。

カフェの「当たり前」を壊す

Nakaniwaが目指したのは、効率や回転率を優先する一般的なカフェとは異なる場所だ。

福島さんは「カフェはコーヒーを飲みに行く場所で、お客さんをどんどん回さなければいけない、という当たり前を壊したかった」と話す。店内には多くの植物が並び、その全てを購入できる。植物には価格が記され、QRコードから手入れ方法も確認できる。

さらに客席にはCDプレーヤーを用意。ラックに並ぶ1980年代から1990年代、平成期を中心としたCDから好きな一枚を選び、ヘッドホンで楽しむことができる。CDを取り入れた背景には、かつて渋谷のCDショップで試聴機を使い、新しい音楽に出合った体験があるという。

福島さんは「平成時代に流行ったものや、僕たちが熱中していたものは何だろうと考えた。お金をかけずにタワーレコードへ行って、新しい曲を聴くような、生産性のない行動をあえて取り入れたかった」と説明する。

「訳もなく行ける場所、たまり場になる場所。そこへ行けば誰かと出会い、会話が生まれる」。Nakaniwaには、そんな「憩いの場」をつくりたいという思いも込められている。

好きな時間に食べられる「オールデイカフェ」

フードは朝やランチだけに限定せず、一日を通して提供する。背景にあるのは、渋谷で働く人たちの生活スタイルだ。

「仕事に熱中して、お昼を食べ過ごしてしまう人も多い。自分たち自身を利用者として考えた時に、昼時を逃しても食べられる場所が欲しかった」と福島さん。自家製グラノーラのボウルや鶏ハムを使ったオープンサンドなど、軽めの食事からしっかり食べたい人向けまで幅広いメニューを用意する。

渋谷で働くワーカーに向け、栄養価の高い朝食やランチメニューメニューを提供する

福島さんは「好きな時に、好きな人と、好きな食事を取る。それを好きな音楽と、好きな植物に囲まれて楽しめる。全てを自分用にカスタムできる場所にしたかった」と話す。

店のキャラクターはワニの「ニワニ」。有賀さんによると、「庭にワニ」という言葉遊びから生まれたという。スイーツには、ワニをかたどった「ニワニクッキー」も用意する。

Nakaniwa LOGO & Niwani

想定外だった「犬連れ」の利用

オープン後は、時間帯によって利用者の顔ぶれも変わるという。同ビル1階には、人気キャラクター「Sonny Angel(ソニーエンジェル)」と「SMISKI(スミスキー)」の直営店舗があり、連日、外国人観光客でにぎわいを見せている。午前中は、同店の入店を待つ外国人観光客がNakaniwaを訪れることが多く、夕方以降は仕事を終えた若者やワーカーが立ち寄るという。

一方、予想していなかった利用もあった。

オープン後、Instagramを通じて犬同伴についての問い合わせが相次いだため、2階をペット同伴可能にしたところ、「翌日からワンちゃんのコミュニティーが集まるようになった」と有賀さん。

渋谷駅周辺には、散歩途中に犬と一緒に立ち寄れるカフェが少ないという。利用者の反応を受け、今後は犬向けメニューなども検討している。

イベント利用など、さらに広がる「場づくり」

3階は「CAFE & EVENT SPACE」として、比較的自由に使える空間になっている。

有賀さんは「宴会だけでなく、音楽イベントやダンスイベントなど、いろいろな使い方をしていただければ」と期待を寄せる。小規模なトークイベントやラジオ収録なども想定し、今後はライブや展示企画、貸し切り利用なども展開していく予定だ。

ANCRとしても、Nakaniwaのような「場づくり」を今後さらに広げていく。

同社は京都でも不動産会社と協業し、町家を改装したホテルと飲食店の複合施設を手がけるほか、デベロッパーやゼネコンとエリア開発のコンセプトデザインやコンテンツ開発などに取り組んでいる。

福島さんは「関わる街が増え、僕らが考えたアイデアが実装されていく未来をつくれたらうれしい」と話す。

異なる分野のプロフェッショナルを掛け合わせ、新たな「化学反応」を生み出すANCR。その一つの形として渋谷に誕生したNakaniwaは、目的を持って急ぎ足で移動する人の多い街に、あえて立ち止まり、思い思いの時間を過ごせる「余白」をつくろうとしている。

※詳しい内容は、ラジオ番組放送をぜひチェックしてみてください。

店舗概要
  • Nakaniwa(ナカニワ)
  • 住所:渋谷区渋谷1-15-22 渋谷セルモビル2階
  • 開業:2026年8月10日
  • 営業:9:00~23:00(日曜は21:00まで)
  • 公式:詳細はInstagramから
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