SHIBUYA × WATCH
渋谷・文化村通りで10月19日、「渋谷ファッションウィーク2025秋」のメインイベント「SHIBUYA RUNWAY - SEOUL MIX -」が開催され、約60メートルにわたるストリートがレッドカーペットで彩られた。
SHIBUYA109からLABI渋谷前まで、約60メートルのレッドカーペットが文化村通りに設営
渋谷ファッションウィークは、ファッションを通じて街のにぎわいを創出する都市型イベントとして2014年にスタート。春と秋の年2回開催され、今回で24回目を迎えた。テーマは「アジア発の新スタイル」。K-POPや韓国ドラマなどを背景に世界的なカルチャーシーンをリードするソウルと、ストリートからトレンドを発信し続けてきた渋谷がタッグを組み、国境を越えたファッションショーが実現した。


午前中は雨模様だったが、午後のショー開始時には空が明るくなり、レッドカーペットの両側には多くの観客や外国人観光客が集まった。歓声や拍手が響き、スマートフォンで撮影する姿も目立った。


左=第一部「SHIBUYA LOOK」から「CONVERSE TOKYO(コンバーストウキョウ)」、右=「TISSU ROUGE(ティシュルージュ)」
第一部「SHIBUYA LOOK」から「Kastane(カスタネ)」
ショーは三部構成。第一部「SHIBUYA LOOK」では、渋谷を代表するブランドが最新スタイルを披露。第二部「SEOUL LOOK」では、新世界百貨店のグローバルブランド「SHINSEGAE HYPER GROUND」がセレクトした韓国の9ブランドが登場し、最新コレクションを発表した。第三部「SHIBUYA×SEOUL」では、日韓ブランドを融合したミックススタイルが次々と登場し、ストリートとハイファッションが交錯する新感覚のランウェーに会場は一気に熱を帯びた。
第二部「SEOUL LOOK」から「LUV IS TRUE(ラブイズトゥルー)」


第三部「SHIBUYA×SEOUL」から日韓ブランドを融合したミックススタイル
実行委員長の大西賢治さんは「ソウルからの参加により、ファッションウィークの可能性がさらに広がった。渋谷とソウル、二つの看板が並び立つショーになった」と語る。一方、韓国・新世界百貨店のイ・ドヒョンさんは「日本と韓国が融合した新しいスタイルを披露できて光栄。渋谷はファッション感度の高い特別な街。今後も協業を通じて新たな体験を届けたい」と話した。
関連企画として、現在SHIBUYA109渋谷店では韓国ブランドのポップアップショップを展開中だ。ショーで披露されたアイテムを実際に手に取ることができる。第1弾は10月26日まで8階で、第2弾は10月28日から11月10日まで1階「Limited POP UP BRIDGE.」で開催される。
今回の“日韓共演”の背景には、両国の商業施設をつなぐ新たな動きがある。今年9月、東急リテールマネジメントと新世界百貨店が「日韓の商業施設を活用した業務提携に向けた基本合意」を締結。互いの施設を通じてブランド展開やマーケティングをクロスボーダーで推進し、顧客交流を深めていく方針だ。今回のショーは、その象徴的な第一歩ともいえる。
渋谷の街ではいま、韓国カルチャーやファッションブランドの進出が一段と加速している。昨年4月には、韓国No.1バーガー「マムズタッチ」が公園通りに日本1号店をオープンし、今年9月には原宿に2号店を展開。同じ9月には、韓国三大百貨店のひとつである「現代(ヒュンダイ)百貨店」が、国外初となる常設リテールショップを渋谷PARCOに開設した。さらに10月初旬には、韓国発の人気ECサイト「MUSINSA(ムシンサ)」が公園通りにポップアップショップを出店するなど、韓国ブランドの“渋谷上陸”が相次いでいる。
アジアの都市間連携が進むなか、カルチャーや商業も国境を越えて共創する時代へと歩み始めている。