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渋谷の街を舞台にした都市型ファッションイベント「渋谷ファッションウィーク2026春(SFW)」が3月13日、開幕した。2014年3月の初開催から13年目を迎え、今回で25回目となる恒例企画。渋谷駅周辺の大型商業施設や文化施設が垣根を越えて参加し、街歩きや買い物、展示鑑賞を通じて渋谷という都市の多層的な魅力に触れられる10日間となる。

渋谷ファッションウィーク事務局長の寄本健さん
開幕初日に行われたメディア向けラウンドテーブルで、事務局長の寄本健さんは「渋谷ファッションウィークは、13年前に『ファッションで街を楽しんでもらう』ことを目的に始まったイベント。街の姿が大きく変わる中で、そのあり方も毎回、多くのメンバーとともに考えながら進化してきた」と振り返る。その上で「ファッションそのものを楽しむだけでなく、ショッピングやイベントを通して、渋谷という街全体を味わってほしい」と来街を呼びかけた。
“世界的カルチャーフェス”へ 渋谷から再びトレンドを生む
クリエイティブディレクターの田中ヒロさんは、現在のSFWを「新しいフェーズに入っている」と位置付ける。昨年からは“サードフェーズ”として、街全体を舞台にした世界的なカルチャーフェスを視野に入れた展開を進めているという。
古着やヴィンテージ文化の広がりとともに、下北沢や高円寺など、ファッションの重心が渋谷以外の街にも広がる中、田中さんは「渋谷をあらためてファッションの聖地にしたい」と意気込みを語る。

渋谷ファッションウィーク クリエイティブディレクターの田中ヒロさん
今回のコンセプトは、昨年に続き「CULTIVATE(カルティベイト)」。カルチャーと同じ語源を持つ言葉で、「耕す」「育む」「つなぐ」といった意味を内包する。同じコンセプトを連続して掲げた理由について田中さんは、「人や物、出来事が混ざり合って新しい文化が生まれるには、その土壌を整える必要がある。1年で十分にできたとは思っていない。だからこそ今年も『カルティベイト』を掲げた」と説明。即効性よりも、街に根付く文化的基盤づくりを重視する姿勢を示した。
街を彩るFace Okaさんのキービジュアル
キービジュアルを手がけたのは、国内外で活動するアーティストFace Oka(フェイスオカ)さん。会期中は描き下ろしのアートがフラッグや大型広告、デジタルサイネージなど渋谷各所に掲出され、街そのものをメディアとして彩る。




街灯フラッグやデジタルサイネージ、公共空間をキービジュアルで装飾し、渋谷の街全体をSFW一色に演出する
開幕イベントのクロストークでFace Okaさんは、「渋谷はどんどん新しく生まれ変わり、人も増えていく街。そのカオスさも含めて好き」と語りながらも、「“建物がたくさん並んだ渋谷”というイメージにはしたくなかった」とコメント。「足し算より引き算が好きで、要素をできるだけ削ぎ落としながら、シンプルで自分らしいデザインを意識した」という。
一方で、ハチ公を思わせる頭や、机の下から見える手など、さりげなく「渋谷らしさ」を忍ばせている点も特徴だ。さらに今後の街について「きれいに整いすぎるのではなく、いろいろな人や物、出来事が混ざり合う渋谷であってほしい」と話し、再開発が進む街に対して、秩序だけではない“渋谷らしさ”の継承を望んだ。

SFW開幕を記念し開催された田中ヒロさんとFace Okaさんのトークイベント
今春の新機軸は“マーケット” コミュニティが混ざり合う場に
今春の目玉企画の一つが、3月20日・21日に渋谷サクラステージで初開催する「THE CULTIVATE MARKET by SFW」。会場は、JR渋谷駅新南改札に直結するSHIBUYAタワー3階イベントスペース「BLOOM GATE」。ファッションデザイナーやインフルエンサー、スタイリスト、ブランド、学生団体など多様な出店者が集まり、単なる物販を超えた“関係性の交差点”を目指す。
出店者には、2014年・2015年のSFWランウェイにも関わった新進デザイナーが再集結する「東京ニューエイジ」をはじめ、日本で唯一のファッションデザイナー団体「CFD TOKYO」、モデルやインフルエンサーが参加する「elite Japan」、女性向けスニーカーセレクトショップ「atmos pink」、ユーズドセレクトショップ「RAGTAG」、アップサイクルプロジェクト「TSUMUGI」、学生団体「Uni-share」、青山学院大学のサークル「Aoyama Fashion Association」などが参加する。
新企画について、田中さんは「販売される品の多くは、世の中に流通していないものや出店者の私物、ブランドサンプルなど、通常のショップでは手に入らないもの」と説明。その上で「実は物を売ることが主目的ではない。出店者同士が混ざり合い、そこに来た人との会話が生まれる。そうした交流の化学反応を生み出す場として、コミュニティを混ぜることに挑戦したい」と話す。
商業施設、アート、デザイナー、学生、来街者。それぞれが孤立するのではなく、渋谷という街の中でゆるやかに混ざり合っていく。その風景を可視化することこそ、SFWが目指す核心といえそうだ。

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「写真家・高木由利子さんの写真展」の会場風景
また、文化施設との連動も見逃せない。Bunkamura ザ・ミュージアムでは、写真家・高木由利子さんの写真展「Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」を開催中(3/10~3/29)。伝統衣装をまとい生きる人々の日常を30年にわたり撮り続けてきた代表シリーズに焦点を当てるもので、現展示室では最後の展覧会にもなる。
街を巡るデジタルスタンプラリーも
期間中は、約120店舗が参加するショッピング優待キャンペーン「THE SHOPPING」も展開。公式インスタグラムのフォロー画面を提示すると特典が受けられる仕組みで、昨年を上回る規模となる。また、渋谷各所に設置されたQRコードを読み取ってデジタルスタンプを集めると、Face Okaさんのキービジュアルを使ったポストカードやステッカーなどの限定グッズを受け取ることができる。
会期は3月22日まで。
- 渋谷ファッションウィーク2026春
- 会期:2026年3月13日(金)〜3月22日(日)
- 時間:13:00~20:00(最終入場19:30まで)
- 場所:渋谷各所
- 参加施設:cocoti SHIBUYA、SHIBUYA109渋谷店、渋谷キャスト、渋谷スクランブルスクエア、 渋谷ストリーム、渋谷ヒカリエ、渋谷ヒカリエ ShinQs、渋谷マークシティ、西武渋谷店、東急プラザ渋谷、MAGNET by SHIBUYA109、RAYARD MIYASHITA PARK、渋谷サクラステージ、Bunkamura
- 公式:詳細はこちら
- 主催:東京クリエイティブサロン実行委員会
- エリア主催:渋谷ファッションウィーク実行委員会
- 後援:経済産業省、渋谷区、東京商工会議所渋谷支部、一般財団法人渋谷区観光協会、渋谷区商店会連合会中央ブロック、大向地区町会連合会、氷川地区町会連合会、一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構、一般財団法人 日本ファッション協会、一般社団法人 日本アパレル・ファッション産業協会、一般社団法人日本メンズファッション協会








