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渋谷駅東口地下広場に給水スポット “マイボトル文化”発信拠点に
ペットボトルごみ削減に向けた環境施策の一環として、渋谷駅東口地下広場の公衆トイレ・パウダールーム入口付近に3月末、無料で利用できる「給水スポット」が設置された。
給水スポットが設置された渋谷駅東口地下広場は、渋谷区と一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントが連携して整備・運営する公共空間である。渋谷駅東口の再開発に伴い整備され、複数路線が乗り入れる駅の人流を円滑に導くとともに、人々が滞留する地下の結節点として機能している。広場内にはカフェや公衆トイレ、約100台のコインロッカーなどを備え、駅周辺の広告収益を活用しながら同法人が維持管理やにぎわい創出を担っている。

渋谷駅東口地下広場


東口地下広場には、渋谷駅前エリアマネジメントが運営管理するカフェ「UPLIGHT COFFEE」(左)や、パウダールームなどを併設する「公衆トイレ」(右)などがある
今回の取り組みも、こうした持続可能な都市運営の延長線上に位置付けられる。渋谷区では2026年4月1日からポイ捨て対策を強化する条例改正が施行され、ごみ問題への対応は喫緊の課題となっている。

渋谷区では4月1日からポイ捨て条例が施行され、6月1日から違反者にその場で2000円の過料が徴収されるルールが導入されている
同法人の担当者は「海外では駅や公園に無料の給水スポットが普及し、マイボトル利用が一般的になっている。訪日外国人の多い渋谷から、その文化を発信していきたい」と話す。

パウダールームの入口に設置された「給水スポット」
給水される水は、3重ろ過フィルターを通した浄水で、不純物や臭いを除去。日々の巡回清掃に加え、年1回のカートリッジ交換など継続的なメンテナンス体制も整える。案内表示は日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応し、通勤・通学客や買い物客に加え、外国人観光客の利用も見込む。
「給水は日常の中でできる小さな一歩。気軽に利用し、環境について考えるきっかけにしてほしい」と利用を呼びかける。
パウダールームの進化 “滞在を支える機能”へ

この公衆トイレには男性・女性トイレ、オールジェンダーで利用可能な「みんなのトイレ」、車いす対応の「バリアフリートイレ」のほか、パウダールームが併設されている
給水スポットが設置された公衆トイレの大きな特徴は、屋外としては珍しいジェンダーレス仕様のパウダールームが併設されている点である。室内には、室内光・自然光・夜間光を再現できるインタラクティブミラーを4台設置し、ヘアスタイルや化粧の「ひと直し」に対応する機能を備える。


調光機能を持つミラー(左)、ヘアアイロン(右)も設置する
無料で利用できる独立型パウダールームに加え、2026年4月からは無料のヘアアイロン(2台)を期間限定(6月末まで)で設置するなど、利便性の向上を図っている。通勤や通学の前、イベント参加前などに気軽に立ち寄り、身だしなみを整えられる環境を提供する。


「みんなのトイレ」内(左)、「男性トイレ」内(右)のマナー啓発ラッピング(画像提供=一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント)
また、公衆トイレについても、2025年7月に「感謝の気持ちがきれいなトイレをつくる」をコンセプトに、マナー啓発ラッピングやサインの刷新を実施。バイオ素材を用いた装飾や季節感を取り入れた色彩設計など、環境配慮と快適性の両立を図っている。
トイレを単なる通過空間ではなく、「滞在の質」を支える都市インフラとして捉え、利用者の細やかなニーズに応える取り組みが重ねられている。
広がる給水スポット 街全体で支える動きに
渋谷駅東口地下広場のほかにも、区内では給水スポットの整備が進んでいる。渋谷区役所本庁舎(宇田川町)などの公共施設では、マイボトル対応型の給水機を設置し、冷水や常温水を自由に利用できる。
また、無印良品(西武渋谷店内)やIKEA渋谷といった大型商業施設でも無料給水サービスの導入が進む。設置数はまだ多くはないものの、猛暑対策や環境配慮の観点から、給水スポットは駅周辺に点在し始めている。


渋谷区役所1階(左)、無印良品(右)に設置されている給水スタンド
今回の取り組みは、再開発のような大規模な変化ではないが、日常に入り込む形で行動変容を促す都市施策の一つといえる。マイボトルに水を注ぐという小さな行動の積み重ねが、ごみ削減や環境意識の向上につながる。
再開発が進む渋谷において、こうした「身近なサステナビリティ」の実装は、街の価値を静かに更新していく試みとなるのではないだろうか。今後、エリマネでは、給水スポットの利用状況を踏まえ、設置箇所の拡大も検討していくという。








